悪夢でもない。
望みのものが確実に手に入る夢でもあるのだから。
肺気腫で6ヶ月の命だと宣告される夢。
言われてみれば、むせてばかりいるし、咳が止まらない。
欲しいものは不平等で、
避けたいものだけが平等にある。
そんなマーフィーの法則は嘘で、
平等に訪れる死が欲しい。
不平等な命なんていらない。
一番ほしかったものは手に入らなかったけれど、
笑顔でうけとれるものが手に入ればそれで。
死ぬ前にせめてこれだけは言いたかったこと。
周りの人みんなに。
いつだって。
いつだって決して本気で人の趣味を、
馬鹿にしたり批判したりはしてこなかった。
鼻でわらったりも。
その人が好きなものなら。
もちろんただ、「この人はこういうのが好きなんだ」っていう。
自分からそれを受け入れて、
好きになれるものは一握りだったかもしれないけど。
でも、それでもそれを批判はしてこなかった。
単に僕なりに好きなろうと努力してる、
天邪鬼なそんな僕だからきっとその姿は真逆に見えたんだろう。
もし、その様に勘違いされてきたのなら。
このまま逝くのはひどく心外だけど。
結局逝くものの言葉はなんてものは、
排水溝に吸い込まれる、たった一本の髪のようなものでしかないけれど。
もしこの世界に何か残していってしまっていたとしたら。
大地に苔生やすことすらできない一粒の涙でも残していってしまったら。
そのなかにもこんな言葉で救われる一時の哀しみがあったのなら。
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